シグ/ザウアー P226 (丈のハンドガン)
P226は軍用としては最も高く評価されている自動拳銃(オートマチックハンドガン)の一つである。この銃はスイスのSIG社とドイツのSAUER&SOHN社が開発したP220の発展型として1983年に開発、9×19mm弾(※)を15発装填可能な大容量のダブルカアラム(複列式)弾倉が使用可能となった。米軍の制式拳銃コルトガバメントM1911A1の後継M9ピストルを巡るトライアルでは、ベレッタM92Fと最後まで競ったものの、コスト高の問題で敗退。しかしながら品質や精度、軍用拳銃としての信頼性の高さから、米海軍SEALsのような特殊部隊の注目を浴びることとなり、世界各国の軍および法執行機関で採用されることとなった。わが国でも警察の特殊部隊SATなどで一部採用されたと言われている。M92Fやグロック17などに比べやや高価だが、高い品質・精度を実現しているのも人気の理由となっている。軍用として砂埃や海水にまみれるといった劣悪な環境下においても確実に作動するように設計され、信頼性の高いショートリコイル機構を採用。扱いやすいデコッキングレバーやダブルアクショントリガーを備え安全性の面でも優れており、人間工学的に配慮した設計がなされているため操作性も良好である。北米市場を意識した、より強力な.40S&W弾や.357SIGなどを使用できるタイプもあり、フレーム前部にフラッシュライトなどを装着できるアクセサリーレールを持つレイルドフレームタイプなど各種用途に応じたさまざまなバリエーションが存在する。また、よりコンパクトにしたP228やP229なども開発されている。

※:9mmルガーもしくは9mmパラベラムと呼ばれるNATO標準の最もポピュラーな拳銃用弾薬。

■DATA シグ/ザウアー P226
口径:9×19mm/全長:196mm/重量845g/装弾数15発